2008年04月01日

今週の妖異怪録図絵

ミロ坊主

普段は飲まないのだけれど、急にミロが飲みたくなるときがある。徳用サイズを買うも、後々飲まなくなって、結局残りのミロを湿気けらせて駄目にしてしまった。そんな経験はないだろうか。これはミロ坊主の仕業であると、土地の古老は語る。
昔、まだミロが専門の職人たちの手作業で作られ、売り上げも少なく価格が高かったころに、売り上げが伸びて生産工場に設備投資ができれば、大量生産による低価格化が実現できると聴いたひとりのミロ好きの子供が、周囲の人々に口八丁手八丁でミロを買わせた。当然口車に乗せられて買ったはいいが、使い切らずに湿気らせる人々もいて、子供は彼らの恨みを買うが、己の強引な手法の非を認めず、意固地になってやがて妖怪化し、今でもやたらとミロを買うように人心を惑わせているのだ。
商品をお買い上げいただくのは有難いが、それが飲みきらぬほどとは心苦しく、当社の望むところではない。無理なくお飲みいいただける分だけをお買い求めください、とはミロの販売元ネスレ広報の談である。
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2008年03月24日

今週の妖異怪録図絵

アンバサの怪

岩手県のとある民家で、毎晩どこからか物音がするのを家人が怪しんで調べてみると、台所の床下収納庫から、飲まずに忘れていたアンバサが見つかった。冷蔵庫で冷やしたあとに飲んでみると、それ以後は夜の物音がぱったりと止んだという。同様の例は全国各地に見られる。
これは付喪神の一種といえよう。アンバサが長年飲んでもらえずにいるのを恨んで、物音で己の存在を知らせたのだ。似た妖怪に、タンコロリンというのがいる。見知らぬ大男が柿をぽとりぽとりと落として歩いてゆく。あとをつけると、とある家の前でふっと消えてしまう。不審に思って調べてみると、その家には実るがままに実をつけていた柿の木があったのだが、いまやその実が消えている。実が重かったのか、誰かに食べてもらいたかったのか、柿の木が化けて出たのであろうということだった。
アンバサも、放っておくとゆくゆくは何者かの形になって、「白いおいしさ」を飲ませ歩いたのかもしれない。
なお、怪異を引き起こすアンバサは、どれも1990年以前に製造されたものばかりだそうだ。
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