普段は飲まないのだけれど、急にミロが飲みたくなるときがある。徳用サイズを買うも、後々飲まなくなって、結局残りのミロを湿気けらせて駄目にしてしまった。そんな経験はないだろうか。これはミロ坊主の仕業であると、土地の古老は語る。
昔、まだミロが専門の職人たちの手作業で作られ、売り上げも少なく価格が高かったころに、売り上げが伸びて生産工場に設備投資ができれば、大量生産による低価格化が実現できると聴いたひとりのミロ好きの子供が、周囲の人々に口八丁手八丁でミロを買わせた。当然口車に乗せられて買ったはいいが、使い切らずに湿気らせる人々もいて、子供は彼らの恨みを買うが、己の強引な手法の非を認めず、意固地になってやがて妖怪化し、今でもやたらとミロを買うように人心を惑わせているのだ。
商品をお買い上げいただくのは有難いが、それが飲みきらぬほどとは心苦しく、当社の望むところではない。無理なくお飲みいいただける分だけをお買い求めください、とはミロの販売元ネスレ広報の談である。



