それらサウンドノベルの感覚で今頃Fate/stay night(2004)を始めたら、これがもう別物だった。進化といっていい。
ランサーの瞬時に繰り出される槍が、画面の四隅から光の突進のように表されている演出を見たときには、隔世の感があった。
(fateはヴィジュアルノベルと称されているが、ヴィジュアルノベルはサウンドノベルと基本的に同じ。サウンドノベルはチュンソフトの登録商標。)
基本的なルートは3つあって、1周目をクリアするのに18時間半かかった。(文章一括表示)
以降は既読スキップを使い、3周目を終えたらのが40時間。どれもトゥルーエンドで迎えたので、残りのエンデンングを攻略サイトを見ながら踏破。
ライトノベルは数えるほどしか読んでいない私にさえ、「すごくラノベっぽい!」と思わせる文章と設定。ここは好き嫌いの問題だろう。主人公が料理上手というのは、オタク趣味の小洒落たステータスだと思う。
端端からは物語に表れていないところにまで世界設定がなされているのが感じられ、話が小さく纏まらずに済んでいる。残念なのは、長丁場な場面がダレてしまっていること。もっと縮めて書けばいいのに。
エンディングのスタッフロールをみて、はじめてこれが奈須きのこの作品であることを知り、奈須きのこが何をしている人なのか、なぜ有名なのかを知った。
Fate/hollow ataraxia(2005)はファンディスクであり、続編・外伝である。
私にはこちらのほうが読後感の残るストーリーだった。stay nightは目指すべき場所へ苦難を乗り越えてゆく物語だが、hollowは手にした幸福を手放してゆく切ない物語だ。繰り返される4日間を何度も経験して真相に辿り着くという構成とその物語は、おまけ的イメージのある「ファンディスク」と呼ぶにはあまりにも充実しすぎていて、(stay nightという下地がなくては成立しない話であるが)前作よりも深みのある作品だと感じた。
ただ、サイドストーリーの「恋愛探偵」はまったく不要であったなー。
プレイ時間35時間程度。
更にはライトノベルで「Fate/Zero」というのがある。stay nightに直結する過去の話で、著者はニトロプラスのシナリオライター虚淵玄。これがすごくいいらしい。これを読むためにFateをやれ、と言われたのだが、まだ未読。



