もともと、どちらかといえば詩は苦手なので、やっぱりよくわからなかった。
「猫」や「旅上」のようなものはいいけれど、小難しいものになるといけない。そういうのは散文でやってもらったほうがよい。
町田康が萩原朔太郎を好きだという。(たしか、そのはず)
猫
まつくろけの猫が二疋、
なやましいよるの家根のうへで、
ぴんとたてた尻尾のさきから、
糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
『おわあ、こんばんは』
『おわあ、こんばんは』
『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
『おわああ、ここの家の主人は病気です』
旅上
ふらんすへ行きたしと思えども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。



