2016年01月01日

15/12/31


「今日も1日を遣り過ごした君、ご褒美だ!
 死ぬまでの時間が1日縮まったぞ!」
「へへっ、やっぱりヨシノブは偉いや。
 こんな人生なのにまだ生きてやがる」
「すごいわ、今日もゲロ吐きそうなのを耐えるなんて!」
「ようし、みんなでヨシノブを胴上げだ!」
おいおい、やめてくれよ。こんなの大したことないんだから。
あっ。
「そーれ!」
「わーっしょい」「わーっしょい」
こら、やめろって。
「わーっしょい」「わーっしょい」



 胴上げされながら運ばれたヨシノブは、
 深い穴へと投げ捨てられた。
 
 それはあまりに深い穴だった。
 どこまで深いのか誰にもわからない。
 深い深い穴だった。


 この数年後の或る日、空から景気のいい掛け声が響いた。
 「わーっしょい」「わーっしょい」
 そして掛け声のしたあたり、空の遠い遠いところから
 ヨシノブが落ちてきた。
 落ちて、潰れた。
 
 誰もヨシノブが落ちてきたのに気付かないなかで、
 星新一だけがそれに気付いた。
 そして、なにかひらめいた。


posted by ヨシノブ at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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